ARTCOURT Gallery

Exhibitions

咲くやこの花コレクション
大西康明展 空洞の彫刻

2014.11.08 [sat] - 11.29 [sat] 11:00〜19:00 ※毎土曜日は、 17:00まで

この度アートコートギャラリーでは、平成25年度・第31回「咲くやこの花賞」受賞記念展として『咲くやこの花コレクション 大西康明展 空洞の彫刻』 を開催いたします。

空洞を彫刻するー大西康明は、内側のない空洞や余白と呼ばれる「ネガ」の空間を、体積・垂直・距離といったシンプルなテーマで視覚化させる彫刻作品を制作。接着剤やポリシートなどの形態を定めにくい素材を用いて、人為と自然との境界にある形を繊細な感覚でトレースする注目のアーティストです。巨大な山陵や氷河洞、風に波立つ大海原、星雲のシルエットなど、人知を超えた領界を暗示させるインスタレーションでも高く評価され、国内外での展覧会やアーティスト・イン・レジデンスを重ねて幅広く活躍しています。

ーーーかつて何かが存在していたことや、これから何かが入り込むことが想像できる“不在の空間”を作り出すこと。 鑑賞者はその空間を意識して、内と外、表と裏、ネガとポジのような、相反しながらも見方によってはどちらにも解釈できる事象を身体的に体験し、それぞれの想像力を膨らませ、思考を働かせられる場を作品として提示する。(大西康明)

タイマーで制御した小型ファンの気流で円筒形の袋が垂直方向に膨らんだり萎んだり...。ポリシートが見せる有機的な動きで「虚を見て虚を得る」感覚を観る者に与える《Untitled》(2009)は、大西自身が空気や空洞に対して「体積」を見出し、後の代表作《体積の裏側》につながった重要なキーとなる作品です。 また、グルーガンを絵筆のように使い接着剤を塗り込めた表面を熱で溶かし、金属粉を擦り混ぜた板状の作品《exchange of surface》について、大西は「行為と現象を重ねて堆積させた痕跡」と語ります。

目に見えないものを明らかにする素材を選び取り、行為・現象・時間を構成要素に空間へアプローチしていく表現作法で、大西は空間に曖昧な輪郭を与えていきます。浮遊するやわらかな光の階調と陰影に満たされながら、空間を占有していくその造形は、観る者の無量無辺の想像力や思考をため込む美の器とも言えるでしょう。

本展では、光と重力を使って、内側をつくることから実体のない外側の創出を試みる新作を発表する他、初期作品である《ガワ(環)》、《Untitled》、《exchange of surface》など、「空洞を彫刻する」大西の造形表現の数々をご紹介します。


◎大阪市「咲くやこの花賞」・「咲くやこの花コレクション」とは
昭和58年度から将来の大阪文化を担うべき若手芸術家に大阪市が贈呈している「咲くやこの花賞」。「美術」「音楽」「演劇・舞踊」「大衆芸能」「文芸その他」の5部門におけるこれまでの受賞者は150組を超え、日本はもと
より海外でも活躍されています。大阪の貴重な人的資産である「咲くやこの花賞」受賞者の魅力に触れていただくため、年に数回、発表の場として「咲くやこの花コレクション」を開催しています。
咲くやこの花賞公式サイト http://www.sakuya-konohana.com/

関連イベント

  • 11.08 [sat] 14:30〜16:00
    トークイベント 金井直(信州大学人文学部准教授)× 大西康明
  • 11.08 [sat] 16:00〜17:00
    レセプションパーティ

主催

  • 咲くやこの花賞受賞者等支援事業実行委員会([構成団体] 大阪市、大阪商工会議所、大阪観光局・公益財団法人大阪観光コンベンション協会、 大阪市中央公会堂指定管理者サントリーパブリシティサービスグループ)
  • / アートコートギャラリー(株式会社八木アートマネジメント)

出展作家

大西康明