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今井祝雄 − 行為する映像

2019.4.12 [fri] - 6.15 [sat] 11:00-19:00 (土曜日17:00まで) ※日・月・祝、4/28 - 5/6休廊
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    大日方欣一(写真・映像研究/九州産業大学芸術学部教員、武蔵野美術大学造形研究センター客員研究員) × 今井祝雄

    4.12 [fri] 18:00-19:30 ※要予約、参加費無料

  • レセプション

    4.12 [fri] 19:30 - 20:30

本展について

アートコートギャラリーでは、「今井祝雄 − 行為する映像」 展を開催いたします。

1960年代半ば、ビデオの登場によって世界の多くの造形作家が表現の可能性を広げました。今井祝雄はその視覚メディアの転換期を経験し、1967年に初の映像作品《円》を発表しました。 本展ではその《円》を起点に、1980年代中盤までの映像作品から約10点を紹介します。

今井は、日本を代表する初期ビデオアートの作家の一人として認知され、その映像作品は制作当時から今日に至るまで国内外の展覧会や映像祭で紹介されてきました。1965年、19歳で具体美術協会の会員となった今井は、カンヴァスの表面に突起や穴を穿った白のレリーフで注目を集めました。当時今井は、照明やアニメーションにも関心を持っており [*1]、FRP製の球形作品《Tankuro》や、モーターを内蔵し表面のラバーシートが隆起を繰り返す《白のイヴェント》[*2](いずれも1965年)など産業資材を用いた作品を発表し、「(フレームの)内と外」、「イメージとスクリーンの関係」を巡る思索を重ねていきます。

16ミリフィルムにパンチで1コマずつ穴を開ける手法でつくられた《円》(1967)は、今井が「視覚と聴覚の関係を探ったアニメーション」と呼ぶ最初の映像作品です。1秒間に24コマの円が、手作業のパンチングで生じた誤差によって振動します。サイレンス、ホワイトノイズ、ポップスなどの音を重ねたこの映像について、美術評論家のミン・ティアンポ氏は「フィルムというメディウムの物質性は光と影と時間の流れによって規定されているが、この作品はそれを前景化した」 [*3] と論じています。

具体の解散(1972年3月)後、今井は映像メディアを取り入れた作品を次々に発表します。テレビ局の廃棄フィルムを繋ぎ合わせた《ジョインテッド・フィルム》(1972)、ビデオを初めて使った《Braun Tube》(1974)、さらにそのころから今井は写真やビデオと絡めたパフォーマンスを展開し、この手法は1980年代中盤まで続きます。なかでも5つの代表作のダイジェストをおさめた《ビデオ・パフォーマンス 1978-1983》は、日本のビデオアートを再考する主要な展覧会 [*4] で上映されました。日常的な空間におけるありふれた身振りによる行為を介在させたこれらの作品は、不可視の「時間」の痕跡を印象づけるものであり、また、撮影したイメージをリアルタイムに再生できるビデオの同時性に着目し、パフォーマンスのなかにインスタント写真などを介入させることで、時間にズレや重なりを生じさせ、メディアに潜む物質性を露わにしようと試みています。

本展では、《円》を展示壁全面(約6メートル幅)に投影します。展示室全体が揺れ動くようなインスタレーションとなります。
視覚と聴覚の実験である《円》の体験に加え、テレビが日常化した60年代、そして日々消費される情報としての映像が氾濫する時代(70〜80年代)にかけて制作された今井の思考の一端を解き明かす映像表現も、あわせてご高覧ください。


*1 「顔 – シェル美術賞受賞の今井祝雄氏」
インタビュアー/山根貞男、『日本読書新聞』1966年10月17日号
*2 「空間から環境へ」(1966)に出品した際、この《白のイヴェント》を壁に埋め込み、東松照明などによるスライド写真を投影するインスタレーションを発表した。
*3 ミン・ティアンポ『The Medium is the Message: 今井祝雄』2014年、p.27
*4 「ラディカル・コミュニケーション:日本のビデオアート1968-1988」(2007年、ゲティ・センター、ロザンゼルス)および、「ヴァイタル・シグナル- 日米初期ビデオアート」(2009 - 10年、ジャパン・ソサエティ、ニューヨーク/ボストン美術館/国立国際美術館、大阪 ほか巡回)など。

出展作家

  • [ 円 ] 1967年|4分|モノクロ、サウンド(原盤は16ミリフィルム)

個展「Material Ecstasy」展示風景(2018年)
©️Norio Imai,  Courtesy of Axel Vervoordt Gallery Antwerp

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