ARTCOURT Gallery

Exhibitions

今井祝雄の音 − 開廊20周年記念展 Vol. 3

2023. 5.13 [sat] - 6.24 [sat] 11:00-18:00 (土曜日17:00まで) *日・月 休廊

アートコートギャラリーでは今井祝雄の個展を開催します。
今井は、1960年代の白い造形表現から、’70-’90年代以降のフィルム、ビデオ、写真により時間軸を取り入れた作品、また、そこに自身や他者の身体を介入させるパフォーマンスなど、時代の変化に感応するかのごとく幅広いメディアと作品形態によって表現活動を続けてきました。その最初期より作家の関心を捉えていたのが音の存在です。本展では、心臓音と当時の様々な音響メディアを素材に制作・発表された’70年代の作品群を、今井と長年の親交のあるアーティスト藤本由紀夫から技術面・構想面での協力を得て、資料とともに網羅的に展示します。また、カセットテープと録音された音声を視覚的・身体的に鑑賞するための最新のインスタレーションと共に、その多彩な表現営為を「音」という切り口からご紹介します。

---------------

初めてロックコンサートに行った際、音が足元から身体を伝わってくるのに驚いた。音は耳だけではなく、触覚として体験できることを知った。またレコードを聴きながらスピーカーを見ていると、音の振動がスピーカーのコーン紙の動きによって作られていることから、音は視覚としても体験できるということを知った。どちらも中学生の頃であった。

その後、音響機器や電子機器を使うことにより新しい表現を試みる電子音楽やミュージック・コンクレートの存在を知り、将来の方向を漠然と描くようになった。ただ音楽という情緒的な表現には少しばかり違和感があった。音を思考の道具として哲学的に考察するようなことはできないかと思っていたが、私の脳内では具体的な方法が浮かばなかった。

電子音楽を勉強するために大学に入学し、しばらく経過したある日「美術手帖」のページを捲っていたら、大阪の中心地、難波のど真ん中の道路に向かって心臓音を流しているアーティスト達がいることを知った。今井祝雄との初めての出会いであった。

本展協力者: 藤本由紀夫

---------------

新作 《音声の庭》 について

私たちの会話において発される音声の数々。そのほとんどは記憶の彼方に消え去り、ときに記憶の中に沈潜していく。だがそれを録音するとき、そこには再生することを目的とした記録の意思が働いている。監視カメラと同様に電話でさえも。
とはいえ、一度は再生されても、あるいは全く再生されることなく、データとして何らかのメディアの中に封印されるも多くは廃棄されていく。いっぽうで、記録されない会話とその音声の行方は?
そんな興味から、2022年秋より機会を得た12人(組)と個別に交わした会話を、再生しないことを前提にカセットテープに 録音した。今回の展覧会では、音声をメディアの痕跡として視覚的かつ体験的な場を設えたいと思う。

今井祝雄

関連動画

  • 今井祝雄の音 − 開廊20周年記念展 Vol. 3 Sounds of Norio Imai – ACG 20th Anniversary Vol. 3

関連イベント

  • 5.20 [sat] 14:00-15:30
    対談|今井祝雄 × 藤本由紀夫(アーティスト)
    *定員に達したため締め切らせていただきます。
  • 5.20 [sat] 15:30 -17:00
    レセプション

出展作家

今井祝雄