ARTCOURT Gallery

Exhibitions

建築する音 vol.4「天満大茶会」
藤本由紀夫×建築家×アートコートギャラリー

2009.10.2 [fri] – 10.3 [sat] 2日/19:00~21:00、3日/17:00~21:00 参加費 各日1,000円(予約制、定員:2日/30名、3日/50名)

アートと空間の関係性について考え、その経験と実践に新たな方向性を見出すため、アーティスト・藤本由紀夫と建築家、ACG(アートコートギャラリー)によってスタートした共同企画『建築する音』の4回目。
 今回は、<作品-人-空間>の相互作用を促し、アートの鑑賞行為を活性化させるコミュニケーション磁場を作り出すという昨年(vol.3)のテーマを、日本独自のコミュニケーション形態の一つである「茶の湯」にヒントを得た新たな視点から発展させ、また、「茶の湯」と深い関わりを持つ「禅」の基本姿勢ーー日常生活におけるあらゆる行為・経験は同等であり、互いに還元され、途切れなく繋がり循環するひとつの流れを形成していると見なすーーを、現代社会における日々の生活とアート鑑賞の関係に重ね合わせて提示する試みです。
 茶の湯の世界を構成する重要な要素である「見立て」(=平凡な物事の組み合わせや見せ方に少し手を加え、あるいはそれ自身のあり方を通常の状態から少しだけズラすことによって、その場にいる人を取り込みながら特異で印象深い状況を生み出す行為)に着目したインスタレーションや、<人(亭主・客)-空間(茶室)-モノ(掛け軸や茶器)の親密な交遊が生まれる場の成り立ちについての考察から抽き出された様々なコンセプトに基づく茶室的スペース“tea area”が、アート作品と呼応しながらギャラリー内の様々な場所に設えられます。点在するそれぞれのスペースでは、個別的で親密な<作品-人-空間>によるコミュニケーションの磁場が発生紙、それらは各スペースを行き来する人の流れによってゆるやかに連帯することでひとつの有機的な集合体を形成します。
 520年余前の10月、豊臣秀吉が京都北野天満宮境内と周囲にひろがる松原を会場に1,500もの茶席を点在させて開催した「北野大茶湯」に想いを馳せつつ、この密かなざわめきに満ちた集まりを「天満大茶会」 と名付け、同じ10月に催します。秋の月夜、にじり口を抜け、空間・人・アートとの交感を通して、普段は見落とされている日常世界の細部や微かな気配に改めて目を向け、そして耳を澄まし、それらの奥深さや新鮮さとともに、独自の美を体感してください。

出展作家

アーティスト:藤本由紀夫
建築家:東井嘉信(株式会社大林組本店建築設計部)、井上琢也(株式会社石本建築事務所大阪支所)、東原理子(株式会社石本建築事務所大阪支所)、小林幹彦(阪神電気鉄道株式会社)、AN Architects(荒木洋・長澤浩二)