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Past Exhibitions

星野曉展 「表層・深層」1978–80、2016

2016. 10. 15 [土] - 11.12 [sat] 11:00-19:00(土は、11:00-17:00)※日・月・祝休廊
関連イベント
  • 対談[ 森孝一(美術評論家、日本陶磁協会常任理事)× 星野曉]

    10. 29 [土] 14:30-16:00

  • レセプション

    10. 29 [土] 16:00-17:00

本展について

ーーー可視の部分は世界のほんの一部に過ぎず、世界を支えているのはその背後に隠れた不可視の大部分にある。ちぎった新聞紙の上に被さるように土を薄く延ばし、新聞紙を剥ぎ取ると土の薄い層が現れる。それを大地を切り取ったかたちの台形の上に幾重か重ねたとき、「表層・深層」の構造に辿り着く。表面に水平に広がる薄い波形の一層一層が、見る人の視線を逆に垂直方向に、つまり見えない深層へと導いてくれる。黒陶による黒もまた光を吸収する働きによって、見る人の視線を深く内部へと誘う。(星野曉 ※)

アートコートギャラリーでは、現代陶芸家・星野曉の《表層・深層》シリーズを中心とする展覧会を開催します。本展では1978-80年に制作した作品5点と、新作5点による構成で、陶芸のもつ可能性を根源から追求し続ける星野曉の創造精神に迫ります。

黒陶技法を用いて1978年より制作を開始した《表層・深層》は、星野曉が「私の作家としての出発点だった」と語る初期の代表作です。和束町木屋(京都府相楽郡)のアトリエからのぞむ木津川の流れや山々の景観にインスピレーションを得て、星野は素材である土を層状のものが重なる物質へと捉え直し、現象としての表層から不可視の内部を感得させる表現に取り組みました。

ちぎられた紙と土から生じる波形の表層と、その内部という二元的な構造から成る本作のシリーズは、黒陶の色や質感を伴い目には見えない深層を視覚心理的に顕在化させます。その形態は、表層・深層、内界・外界、次シリーズの背景をなす秩序・混沌などの対立関係から現実の世界構造を捉えようと試みる星野の深い思索の現れでもありました。多様な内面性を自らの表現へと昇華させた《表層・深層》は、前衛陶芸の幅を広げる新鋭として高く評価され、第5回日本陶芸展にて文部大臣賞(1979年)をはじめ数々の賞を得て、国内の主要美術館にも多数コレクションされています。また星野にとっても、波形に現れ出た流動性や移ろいの形象は、その後の作品展開の基底にあり続ける重要なモチーフとなりました。

但し《表層・深層》シリーズは1982年までと、星野はこの静的なオブジェに不足を抱えながらも次なる展開を始め、ステンレス網に陶土を塗り焼成した作品やそのインスタレーション作品へと移行。1986年には集中豪雨により裏山が崩れるという災害に遭い、アトリエと作品の多数を流失して以後、土と身体との直接的なやりとりの間から生じる「出現する形象」という造形概念を現実と対応させながら、自然と人間との関係を世界に問いかけ、その「表し方」を模索し続けてきました。

本展において、星野曉は《表層・深層》シリーズに35年の歳月を跨いで再挑戦します。「土と共に生きるという方向を、制作プロセスの中で示してゆきたい」。今また、星野は如何なる思索を黒陶の静けさの中から現出させるのでしょうか。それは背後にある土と人間、陶芸と人との長い歴史と共に、確かな深度で私たちの創造性を刺激し、世界の本質を捉え直す力を与えてくれることでしょう。

(※および「 」内の作家の言葉 出典:展覧会図録「星野曉 黒陶 出現の形象」2002、滋賀県立近代美術館 より)

出展作家

  • 《表層・深層》 1979年|黒陶|10×58×33.5 cm 
撮影:表恒匡
  • 《表層・深層》 1978年|黒陶8×110×36 cm (w:64 cm, 9.5 cm, 9.5 cm, 10 cm)
撮影:表恒匡

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