ARTCOURT Gallery

Exhibitions

OAP彫刻の小径2013
塩谷良太・山添 潤 「対話の深度/ものの奥行き」

2013.11 – 2015.4 OAP彫刻の小径(大阪市北区天満橋OAP公開緑地内)

大阪市北区のOAP「彫刻の小径」にて、2013年11月から2015年4月まで、国内外で活躍する2名の若手彫刻家、塩谷良太(しおや りょうた)と
山添 潤(やまぞえ じゅん)による野外彫刻展を開催いたします。

現代陶芸家としても活躍する塩谷良太は、身体や行為の痕跡をとどめた陶彫によって、“物質に宿る精神の発露”の視覚化を試みる作家です。粘土を身体の部位に押当て、間接を曲げるなどして体の痕跡を採取した陶のピースを、さらにゴムバンドで結びつける作品《具合》。粘土をゴムバンドで縛り付け、半ば勝手に出来ていく形、また粘土そのものの固さや縛る箇所によって生じる様々に左右されながら造形行為を繰り返して出来上がる作品《物質と記憶》。OAP彫刻の小径において、塩谷は行為と記憶、モノと記憶の関係についての考えを発展させたこれら2つの新作シリーズを展示します。

一方、山添 潤は、大きな石の塊と向き合い、自身の生身の力によってノミやタガネを使いひたすらに石を刻み続ける石彫家です。単一な行為の集積と痕跡とが、石の表面に重なり覆い連なってゆき、やがてその石の塊が一つの存在へと結実したときに作品完成へと至ります。石を刻むことは山添にとって、その内側の見えない何かを探る行為、すなわち対話そのものですOAP彫刻の小径では、4つの直方体の砂岩の塊から、山添独自の有機的なフォルムがそれぞれに立ち上がり、時間の経過をも感じさせる《残像 depth Ⅱ》の連作を展示します。

塩谷、山添の両者はともに、頭に思い描いたイメージを具象化するためだけではなく、むしろ表現においては不自由とも思える素材や伝統様式などのさまざまな制約と向き合いながら “行為するヒト”になることで、新たな彫刻の原理を見出そうとしているかのようです。本展は『対話の深度/ものの奥行き』と題し、彼らの作品を通して、私たちの身の回りにあるものや時空間との向き合い方や、日々の生活の中で行っているさまざまな行為の奥深さを再発見する機会となれば幸いです。

出展作家

塩谷良太、山添 潤

◆塩谷良太 Ryota Shioya
1978 東京都生まれ
2003 多摩美術大学美術学部工芸学科陶専攻卒業
2005 筑波大学大学院芸術研究科デザイン専攻総合造形分野修了
2011-2012 平成23年度文化庁新進芸術家海外派遣研修員 イタリア・フィレンツェ国立美術学院在籍
|主な展覧会|
2013 雨引の里と彫刻 2013、 桜川/茨城 [’11]
2012 個展、Prioria di San Lorenzo, Montelupo(モンテルーポ/イタリア)
2012 StArt Point 2011/2012 'LONTANO DA DOVE', Centro per l'Arte Contemporanea Luigi Pecci(プラト/イタリア)
2010 第1回 金沢・世界工芸トリエンナーレ、工芸的ネットワーキング リファーレ2F、金沢21世紀美術館 市民ギャラリーA、金沢/石川
2007 工芸館開館30周年記念展 工芸の力-21世紀の展望、東京国立近代美術館工芸館
2005 個展、ギャルリー東京ユマニテlab、京橋/東京

◆山添 潤 Jun Yamazoe
1971 京都府生まれ
1995 KOBATAKE工房修了
|主な活動|
2013 雨引の里と彫刻 2013、茨城 [’11, ‘08, ’06, ’03, '01]
           個展、ギャラリーPARC、京都
           石彫の現況 2013、長泉院附属現代彫刻美術館、東京
2011 個展、ギャラリー揺、京都
2010 個展、メタルアートミュージアム・光の谷、千葉
2009 Art Court Frontier 2009 #7、アートコートギャラリー、大阪
           個展 アートスペース虹、京都 ['06]
2008 Gwacheon国際彫刻シンポジウム、韓国
           個展、TOKIアートスペース、東京
2006 個展、アトリエ Kアートスペース、横浜
2005 個展、ギャラリー砂翁、東京